◆小林ゆみ 委員 職員と事業者の付き合い方ルール、テレワーク、ICT技術を用いた業務改革、区のデジタル化における専門人材等の活用、お試し移住支援とそれに関連して、自治体間交流についてです。使用する資料が、資料請求でいただいた330、331、335です。
杉並区では、職員と事業者の付き合い方について、倫理の保持及び公益通報に関する条例に職員が遵守すべき倫理原則が定められておりますが、まずこれが定められた経緯、経過を確認いたします。
◎人事課長 これは国家公務員におきまして、利害関係者から過剰な接待を受けるなどの不祥事を契機といたしまして、平成12年に国家公務員倫理法が定められたものでございます。これによりまして、地方公務員は国に準じて必要な施策を講じるということになりましたので、区でもその後、この倫理条例を定めたという経緯でございます。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。決算年度である令和3年度には、指定管理者の選定期間中に田中前区長が指定管理の候補者と行ったゴルフの件がありました。一方で、自治体の命題として地域の事情を考え、公の関係性を保ちつつ、ある程度腹を割って付き合うという必要もありますが、それが行き過ぎてなれ合ってしまってはいけないので、それを阻止するためのルールづくりというのが予防策として考えられるところですが、こういったルールづくりについて、決算の当該年度はどのような検討がなされたのか、伺います。
◎人事課長 令和3年度につきましては、特にこれは検討はしてございませんでした。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。
先日、私の一般質問への御答弁の中で、今後ルールづくりについて検討していくという言葉があって、本日午前中も他の委員から質問があったと思います。今後の杉並区の方針に関して、国のほうは国家公務員法のほかに細かな規定も定めていますが、杉並区も今後、国に倣うような方針なんでしょうか。
◎人事課長 国の倫理規程に該当するこれは条例の細目が今ございませんので、これを庁内でも様々議論を深めて策定していきたいと考えているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 本日午前中も23区他自治体で、国のように厳しいルールがあるというお話がありましたけれども、他自治体の厳しいルールの例について、ほかの自治体で把握している例はありますか。
◎人事課長 1つ、新宿区の利害関係者との間における行為の制限等に関する指針があるんですけれども、実は利害関係者の定義が若干ほかの自治体より厳しくなってございまして、利害関係者の定義について、人事異動により過去に在職したポストの利害関係者、これについては異動後3年間は引き続き利害関係者とみなすと、これはほかの自治体と比べてもちょっと特色があるかなというふうに感じてございます。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。ぜひそちらも参考にしてほしいなと思っております。
ルールづくりをする一方で、過度に区内事業者との付き合いを縛るような内容にしてはいけないと思っていますが、その点を踏まえると、杉並区は今後どのような内容でルールづくりをしていくんでしょうか。
◎人事課長 内容については先行自治体などを参考にしながらとなりますけれども、当然、庁内での議論を十分に踏まえた上で策定していきたいと考えているところでございます。また、区内には多くの区政関係団体もございますので、過度に制限するわけではなく、やっぱりバランスの取れた内容にしたいとも考えているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 お願いします。
ルールづくりについて、大まかなスケジュールなどが決まっていたらお教え願いたいと思います。
◎総務部長 ちょっと補完的にスケジュールも含めて私のほうから答弁させていただきます。
まず、先ほど人事課長とのやり取りの中で、国の国家公務員倫理規程も参考にしながら、また、他自治体の規定も参考にしながら細目の検討をするというお話をさせていただいたんですが、これは言うのはやすしで、行うのは難しで、結構難しい課題だというふうに捉えております。というのも、制限列挙的に禁止行為を掲げると、その裏っ返しで、それ以外の行為は許容されているということになるわけで、やっぱりよっぽどきちんと精査をする必要があるというふうに思っております。
それから、先ほど委員のほうからあったように、いわゆる区の利害関係者というのは一方で区政の協力者という一面もあるので、過度に規制をし過ぎると区政の円滑な運営に支障を来すという一面もあるので、そういう配慮も必要だと思います。つまり例外規定というか、こういう場合はこういうお付き合いまではオーケーだということもきちんと紛れのないように定める必要があると思います。
ちなみに先ほど例に出た新宿区では、制限列挙的に禁止項目を挙げた上で、柔軟性を持たせるためだと思うんですけれども、例外規定として、事前に、あらかじめ上司の承認が得られた場合にはオーケーだというような規定があるんですけれども、それは結構きついなと思っていまして、もっとも完全にフリーハンドではなくて、上司は承認を求められた場合には、区民の信頼を損ねるおそれがないと判断した場合のみ承認するというような規定もあり、具体的な例示もされてはいるんですけれども、それでも上司としてはかなり規制的に判断が働くんじゃないかなというふうに思っています。
そういったことも総合的に勘案して、十分検討していく期間が必要だなというふうに思っていますので、現時点で、いついつまでと言いたいところなんですけれども、なかなかそこは難しい。他の先行自治体の事例などをまず調査研究するところから始めて、その後に、杉並区としてどういう規定ぶりがいいのかというところの道筋が見えてきたら、おおむねのスケジュール感をまた御答弁ができたらというふうに思っております。一定のスピード感を持って取り組みたいと思っております。
◆小林ゆみ 委員 ぜひ拙速になり過ぎないように、ほかの自治体の例も踏まえてお願いしたいと思います。
次に、テレワークについてです。
決算当該年度は、杉並区の業務においてテレワークの取組が大きく前進した年度だと認識しております。区は、令和3年3月にテレワークの試行を開始し、令和3年12月からは在宅勤務型テレワークの本格実施を開始しましたが、その取組を区としてどのように評価しているのか、また、利用している職員はどのようにこの制度を活用しているのか、お尋ねします。
◎人事課長 専用端末を用いてテレワークを導入させていただいてございます。これは感染症の蔓延ですとか、やっぱり災害発生時における業務の継続、あと職員のワーク・ライフ・バランスの推進を目的にこれは開始したものでございます。その点、一定期間過ぎましたし、またそれに対しての一定の基盤というのが出来上がったかなというふうに評価しているところでございます。
また、利用している職員につきましては、通勤の時間がなくなるということがございますので、その時間を家事、あるいは子育てなどに活用するほか、例えば業務の中で、企画書であるとか、資料の作成に集中的に取り組む、こういうところに活用している事例が多くございます。
◆小林ゆみ 委員 行政がテレワークを実施することの課題についてはどう認識されていますか。
◎人事課長 これは運用上は、当然区民サービスを低下してはいけないということが前提でございます。ですから、テレワークに向かない業務がございますので、そういった業務ではなかなか利用が困難であると。また、職場を離れて行うことでございますので、労務管理などに課題がございます。
◆小林ゆみ 委員 それらを踏まえて、今後テレワークをどう進めていくのか、方向性を伺います。
◎人事課長 これはもう本格実施してございますので、この段階で、まず労務管理の課題、これにつきましては、やはり長時間労働、これも防がなきゃいけないということもございますので、これは超過勤務は原則認めてございません。あとテレワークで行う業務内容を事前に上司に提出するというルールと、あと終わった後も、どういう業務を行ったか、実施報告書の事後提出を義務づけているところでございます。
あと今後につきましては、テレワークの専用端末、今100台導入しているんですけれども、これを増設いたしまして、極力出先職場にも行き渡るようにしてまいりたいと考えているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。区の業務のうちだとどういった職種や雇用形態にまで広げていくんでしょうか。
◎人事課長 これ実は本格稼働時にはもう職種は限定してございません。ですから、全職員、あとは再任用職員、あと会計年度任用職員、一般も広く対象としているところでございます。ただ、先ほど御答弁申し上げましたように、利用が困難な職場もどうしてもございますので、例えばそういったところでも工夫しながら活用が進むように取り組んでまいりたいとは考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。
次のテーマに行きます。ICT技術を用いた業務改革です。
自治体のDXの取組にはいろいろなものがあって、杉並区もデジタル化推進計画内に上げていると思いますが、行革という観点からだと今後区としてどの取組に注力していくのか、伺います。
◎区政経営改革担当課長 デジタル化推進計画、こちらのほうも業務の効率化というのが大きな1つの方針になっているかと思います。こちらのほうでまず行革の担当の立場のほうからいえば、まずいろんなことで効果が上がるかどうか、そういったものも見極めながら、これをしっかりとデジタル化計画のほうに結びつけて実装していく、そんなふうに考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。区はその計画を策定して、それに基づいて様々取組を行っていると思いますが、資料330、区政経営改革の推進についてを取りました。ここにあるAI音声認識による議事録作成システムについては、計画の中に載っていません。このシステムは行革の観点から取り組んでいくということなのか、確認します。
◎区政経営改革担当課長 このAI音声認識による議事録作成システムでございますが、これはやはり行革の観点から導入により業務が効率化するかを見極めるために昨年度実証実験を行っているものでございまして、効果が確認できた際は、デジタル化推進計画の取組として計画化していくことになると考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。
区はこの令和3年度の調査結果をどういったふうに生かしたのか、また、今後、議事録作成についてはどういうふうにしていく方針なのか、伺います。
◎区政経営改革担当課長 このシステムでございますが、議事録作成を補助するシステムですので、例えば内部の検討会などでこれを活用して今現在、議論しながら手書きでメモして、それをその後、記録に作成していく、そんな事務がございますが、こうした事務を効率化できるのではないかということで、昨年度から実証実験に着手しているものでございます。どういった場面で活用することが効果的であるか、そういったことを検証するには、昨年度の実験だけでは十分ではないことから、今年度も実証実験を継続しているところでございます。今後この実証実験の結果を踏まえまして、システムの活用による効果を見極めて、活用方法や、それから活用の範囲も含めて判断してまいりたいと考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 ぜひお願いします。
次、区のデジタル化における専門人材等の活用についてですけれども、資料331を踏まえて伺います。
区では、昨年度から区長部局と教育委員会事務局においてデジタル戦略アドバイザーを2名ずつ登用して、デジタル化について専門的知見から様々なアドバイスをいただいているかと思いますが、今回この331に基づいて区長部局が活用しているアドバイザーさん2名に関しての状況を確認しますが、資料によると、昨年度はデジタル化基本方針の策定に当たって、国の方針と整合性を図ることや、行政を主体とするのではなくて、区民を主体とした記述とするというところなどのアドバイスを受けたようですけれども、今年度はどういったアドバイスを受けているのか、伺います。
◎デジタル戦略担当課長 今年度デジタル戦略アドバイザーのほうからは、区のデジタル化の推進に必要な人材の育成に関することや、手続のオンライン化に関する方向性などについて助言を受けたほか、あとデジタル庁の事例を踏まえたデジタル化に関する管理職向けの講演を実施していただいたと、そういったところがございます。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。
また、区ではデジタル戦略アドバイザーさん以外にもコンサルタントを活用すると伺っていますが、昨年度と今年度を合わせて活用状況を伺います。
◎デジタル戦略担当課長 昨年度につきましてはコンサルのほうは、デジタル化推進計画の策定に当たって、国のほうの示しているDX推進手順書、それとの比較などや、あとほか自治体等の参考事例の紹介をいただいたり、あとはシステムに関する経費精査事業の実施、それから杉並区情報システム調達ガイドラインの改定などに活用してございます。
また、今年度につきましては、経費精査事業を引き続きやっていただいている、あと区の手続のオンライン化やデジタルディバイド、RPA、窓口混雑解消、標準化などの各取組に関して調査や分析等に活用してございます。
◆小林ゆみ 委員 この経費精査事業というのがすごく効果を上げていると聞いているので、引き続き取組を進めていただくようお願いいたします。
次に、お試し移住と関連して自治体間交流について伺います。
資料335を頂きました。お試し移住支援についての予算執行状況なんですけれども、これが低いなと思ったんですが、この事業が始まってからの経年というか、実績を伺いたいと思います。
◎地域活性化推進担当課長 お試し移住施策に積極的に取り組んでいる南伊豆町を中心に、平成28年度から事業を実施しております。基本的に区主催のセミナーを年2回、それから町主催の現地ツアーを年1回行っております。こうした中で、令和2年度、3年度については、コロナの影響もあって、現地ツアーが実施できなかったり、セミナーもオンライン方式で開催するなどしたことから、御指摘の予算執行状況になってございます。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。コロナで仕方ないところもあったかと思いますが、杉並区民でお試し移住から本格的にその場に住むことに決めた定住者って今までにどの程度いるんでしょうか。
◎地域活性化推進担当課長 南伊豆町で申し上げますと、お試し移住の実績は、平成29年度から令和3年度まで5年間で11名、それから56名、48名、35名、28名というふうに推移しております。このうち生活の本拠を南伊豆町に置いている状況を把握している人数は、令和3年2月現在で4組7名となっております。
なお、完全に住民票を移して住所を置いているという方はいらっしゃいません。また、小千谷市のクラインガルテンでは、現在3名の区民が現地での活動を行っております。
◆小林ゆみ 委員 結構いらっしゃるんですね。杉並区民はそのお試し移住先でどういった活動をしているのか、伺います。
◎地域活性化推進担当課長 南伊豆町をまず例に取りますと、造園や林業、そういうところが主体の産業ですけれども、そういったところとか、ホテルのナイトフロントのお仕事に就かれたり、それから趣味を生かした木工細工のお仕事をなされたり、あるいはもう引退して豊かな自然や温泉を楽しんでいらっしゃるという方もいらっしゃいます。
また、小千谷市のクラインガルテンでは、1住戸に1区画の畑がついておりますので、現地の農業指導員の指導の下、ナスやトマト、大根などの野菜を育てているほか、全体で共同使用の田んぼがございますので、そこで稲作を行って収穫を行っているというふうに聞いてございます。
◆小林ゆみ 委員 いろいろ充実した生活を送られているということですね。
お試し移住支援の取組によって、杉並区としてどういった効果を得たいのかというのを確認したいと思います。経年で決算書を見ていくと、予算執行状況が毎年低いように見えるんですけれども、今後も取組を続けていくのか、伺います。
◎地域活性化推進担当課長 昨今、移住ということだけじゃなくて、2拠点居住とか、滞在型のリモートワークなど、多様な住まい方や働き方というのが現れてきております。そうした中で、交流自治体の中でも、南伊豆町をはじめ、それらの取組の実施、または実施の準備を進めているという自治体もありますので、関心のある区民の方々にそれらの自治体の施策のマッチングを図ることで、いわゆる関係人口の創出や拡大につなげていきたいというふうに考えております。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。
次に、自治体間交流に少し関連して民営化宿泊施設について伺います。
当該年度は、民営化宿泊施設のあり方検討部会が設置された年です。先日の私の所属する区民生活委員会では、決算当該年度の民営化宿泊施設の決算状況の資料を頂きました。これによると、施設運営に当たってかなり損失が出ているように見えました。杉並区としては決算の損失は負担していないけれども、建物の無償貸与や杉並区民が宿泊する際の宿泊補助や公認会計士による監査にかかる費用というのは杉並区として負担している状況かと思います。
杉並区としての負担はゼロではないということなので、ちょっと質問したいんですが、かつて杉並区は、湯河原の湯の里「杉菜」ですとか、菅平学園を所有していましたけれども、今では民間施設となっています。現在の杉並区の民営化宿泊施設についても時代に合わせて在り方を考えるべきであると思いますが、富士学園と弓ヶ浜クラブに関しては、先日の総務財政委員会で方向性が示されたと思います。もう一つ、コニファーいわびつについては、今後区はどうしていくのか、伺います。
◎区民生活部管理課長 コニファーいわびつにつきましては、富士学園や弓ヶ浜クラブとは異なりまして、移動教室での利用がないことや、事業者との契約期間が2つの事業者よりも1年遅いことを踏まえまして、区政経営改革推進計画に基づいて、来年度に方針を決定することとしております。検討に当たりましては、区政経営改革推進本部会の下に設置されました民営化宿泊施設のあり方検討部会の中で、区民の利用状況や今後の修繕経費の見込み、運営事業者や地元自治体の意見等を踏まえて、総合的に検討を進めてまいりたいと考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 ぜひお願いします。ちなみにこの3施設について、利益の半分を区が受け取る仕組みになっていると思います。これが管理監督費となっていますが、例えばここ10年間だとどういうふうになっているでしょうか。
◎区民生活部管理課長 過去10年で利益が生じた年でございますけれども、施設ごとに申しますと、コニファーいわびつでは、26年度の運営実績で1回、富士学園で申しますと、26、27、28年度の3回です。そして弓ヶ浜につきましては、24年、そして飛んで27年、28年の3回ということで、ちょっと全体的に利益が出ている年は少ないといった状況でございます。
◆小林ゆみ 委員 分かりました。
ちょっと時間がないので、最後の質問なんですが、関連して災害時のスクラム支援について伺いたいんですが、令和4年5月に締結した自治体スクラム支援会議における災害時相互援助協定について、平成28年4月の熊本の地震による熊本市、平成30年4月の水害の支援による岡山県総社市などと違いは何なのか、協定締結による主なメリットは何か伺って、終わります。
◎防災課長 今回の協定でございますけれども、条例に定めます相互支援の推進に基づきまして、杉並区とほかの自治体のいわゆる1対1の関係ではなくて、スクラム支援会議参加の9自治体全てが協定を締結することができたことで、協定自治体間で相互支援を円滑に行う体制、姿勢が明確になって、さらにつながりが強化されたというところでございます。
協定締結のメリットといたしましては、災害時の円滑な連携が図れることであり、平時から災害に備えた対策を取ることができることと考えてございまして、既に協定に支援の具体的な内容が盛り込まれておることから、平時の担当者会議などで相互に意見交換を行うなど、顔の見える関係づくりが構築されていることで、災害対策に大きく寄与すると考えてございます。
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