◆小林ゆみ 委員 新型コロナウイルス感染症、施策指標の目標についてです。使用する資料は、杉並区業務継続計画、BCP(新型インフルエンザ等編)、区政経営計画書、事務事業評価表です。
まず、新型コロナウイルス感染症について質問いたします。
今般の新型コロナウイルス感染症拡大は、例えば地震のようにいきなり来たというわけではなく、今年に入って初めて国内で報道された後に、じわじわと影響が出てきたので、区として準備の期間をしっかり取れたのではないかと思います。
区は、平成22年に杉並区業務継続計画、BCP(新型インフルエンザ編)を策定し、5年後の平成27年に同計画(新型インフルエンザ等編)改訂となったことで、新型インフルエンザへの限定が外れ、対象が拡大しました。その新型インフルエンザ等編14ページを参照すると、現在既に都内感染期に当たるのではないかと思いますが、このBCPの内容は、今回の新型コロナウイルスにはどこまで応用できるんでしょうか。
◎危機管理対策課長 新型コロナウイルス感染症対策は、現在の新型インフルエンザ特別措置法に基づく行動計画とは、法的な前提は異なりますが、感染症予防ですとか施設運営等の考えでは共通するものがあります。参考にして対策を進めていきたいと考えております。
◆小林ゆみ 委員 今週、国が緊急事態宣言を出す可能性があると一部では言われていますが、その場合、当区はどのように動くんでしょうか。BCPに基づいて対処するんでしょうか。
◎危機管理対策課長 改正法が今朝閣議決定されたということで、お昼のニュースでも、官房長官が、直ちに緊急事態宣言を出す状況ではないというお話はありましたけれども、その可能性が全くないというわけではないので、お答えすると、今の段階でちょっと措置法の中身ははっきりしていませんので、具体的にできない部分もありますけれども、特別措置法により政府対策本部ですとか都対策本部が設置された場合には、区も直ちに対策本部を立ち上げ、行動計画に即した対策を打つとともに、都が決定した感染拡大防止に関する措置についての要請を受け、連携して実施してまいります。
◆小林ゆみ 委員 現在、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっており、先週も関連する質疑がありましたが、今週に入りそこから一歩進んだ状況になっています。都内の患者数も増加の一途をたどっており、隣の練馬区では、先週6日金曜日に障害者福祉施設の職員が罹患しました。今後はさらに流行することを想定しますが、その場合、区内で出る影響はどういったものを想定しているのか。
また、それに応じ、区役所としてどう動くべきかも事前に職員間で共有する必要があるため、図上等のシミュレーションや、病院でのベッド数の不足などの場合、体育館などをどうやって割り当てるのか、どことどこの学校を閉鎖するのかなどのシミュレーションは行っているのか、そういったことも併せて伺います。
◎危機管理対策課長 今後感染症が広がっていった場合の影響として、御指摘のあった福祉施設等の職員に罹患者が出るといったケースでは、感染拡大を防止するために、施設を一定期間閉鎖することが必要になってきます。業務継続計画では、施設利用の自粛を求めていくとともに、各部の業務継続方針が示されておりますので、所管課ではそれぞれ自分の課の業務を今確認しているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 シミュレーション等行っていないんでしょうか。
◎危機管理対策課長 シミュレーションではないですけれども、BCP、それぞれの所管のところを今確認をしているという形で、シミュレーションに似た形になると思いますけれども、準備はしているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 感染症を所管する保健所としては、今後どういった対応を取っていくんでしょうか。
◎保健予防課長 現在の都内発生早期におきましては、感染の急激な拡大を防止するために、新型コロナウイルス感染症の陽性者が判明した際に、疫学調査により濃厚接触者を特定いたしまして、最終接触から14日間の健康観察と外出自粛のお願いをするとともに、有症状時の検査で早期に発症を捉えまして、さらなる感染拡大防止に全力を挙げて努めてまいります。
また、今後流行のステージが変わった際には、国、都の指示を踏まえまして適切に対応を進めていきたいと考えております。
◆小林ゆみ 委員 東京都のホームページでは、新型コロナウイルスの情報発信方法が秀逸であり、グラフや数値などで客観的な事実を分かりやすく知ることができるようになっています。杉並区も東京都のようにホームページにグラフやQ&A等を出すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
◎保健予防課長 感染症は行政区域を越えて広がってまいりますため、都内発生早期における現段階では、広域で捉えることが重要であると考えております。また、個人のプライバシーにも配慮が必要でありますため、区レベルでグラフを作成することは、現時点では考えておりません。
また、新型コロナウイルスに関する疑問につきましては、国や都とも共通のものが多いため、区では都や国のホームページやQ&A等をリンクいたしまして、迅速な周知に努めております。情報発信の方法につきましては、国や都を参考に、分かりやすい情報発信に努めていきたいと考えております。
◆小林ゆみ 委員 ぜひ臨機応変にお願いします。
また、区政経営計画書26ページを見ると、災害時医療体制の充実126万4,000円とありますが、今回の新型コロナウイルス感染症対策にはどのように関連してくるんでしょうか。
◎健康推進課長 新型コロナウイルスにつきましては、災害時でなくて感染症対策ということですので、特段の関連はございません。
◆小林ゆみ 委員 次、パンデミックに発展すると、病床数が間に合わず、学校に病床を設置するという必要も出てくる可能性もあります。区はどこまで準備しているんでしょうか。
◎危機管理対策課長 まず、拡大した場合に学校を使用するという御質問ですけれども、校舎内に感染症対策の設備を設けたりしなければならないという課題があるほか、国の3月1日付の通知では、感染拡大時には一般の診療機関でも対応し、軽症者については自宅療養を求めていくということから、現在のところは、特に学校での予定はございません。
◆小林ゆみ 委員 今回のコロナウイルスの件で、総合計画の目標値も変わってくるのではないかなと思います。災害やパンデミックの際は、高齢者や障害者の方などが危機にさらされることが懸念されます。保健福祉分野の特に高齢者、障害者について、人件費や超勤分を考えると、今の予算では足りないのではないかと思いますが、いかがですか。
◎高齢者施策課長 現状におきましては、例年との比較において特別に超勤が増えているという状況ではありませんので、特に判断は必要ないかなと思っております。
◎障害者施策課長 同じく、現時点におきましては、まだ補正予算とかそういう段階ではないと考えております。
◆小林ゆみ 委員 これから増えてくるということも考えられますので、ぜひ臨機応変にお願いしたいと思います。
次、災害備蓄品のマスクについて伺います。
先ほども他の委員による質疑がありましたが、災害や今回のような感染症流行などの際、東京都としてできることと杉並区としてできることがそれぞれあるはずですので、杉並区としての対応をお示しいただければと思い、質問します。
他自治体を見ると、岡山県総社市は先月5日に、市民を守るために一刻も早く配ってほしいと市長が述べた上で、災害備蓄品のマスク40万枚を介護施設、障害者施設、学校などに寄附しました。杉並区の防災備蓄倉庫の中で、マスクなどについて、現在使うことができる分と余剰分、必ず残しておかなければならない分はどれくらいあるんでしょうか。
また、災害備蓄品を配付する優先順位についても考えなければなりませんが、まず医療機関、そして保育園など基幹的なところが優先順位が高いと考えますが、区内の医療機関のマスクなどの在庫の状況はどうなっているか把握できていますでしょうか。
◎危機管理対策課長 マスクの備蓄につきましては、午前中、区長からも御答弁申し上げたところでございますが、災害備蓄のマスクは災害発生時に使用するものとして6万5,000枚の備蓄があります。その他、業務継続計画に基づいて行政の継続性を確保するため、職員等を対象としたものが、全職員が使用すると、約2か月半分の量が残っております。
医療機関の状況ですが、区内の病院からは月に1万枚から3万枚ぐらいが必要で、在庫が少なくて3月中になくなる可能性もあるといった声も届いて、厳しい状況ではあるというふうには聞いております。
区でも追加調達の見込みはなく、厳しい状況ですが、医療機関のマスク不足については、都の対応状況ですとか社会的要請に基づいてケース・バイ・ケースで判断していく必要があるかなと考えております。
◆小林ゆみ 委員 都と連携して、ぜひお願いしたいと思います。
次、例えば新型コロナウイルス感染症の疑いのある方が医療機関に来たときなど、区内の医療機関から区への情報伝達、連絡はどのようになっているでしょうか。
◎保健予防課長 区内の一般医療機関に患者が訪れた場合には、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症を疑ったときには、医師は杉並保健所の帰国者・接触者電話相談センターに連絡することとなっております。その連絡を受け、保健所は、帰国者・接触者外来の受診を調整しまして、患者の適切な受診につなげております。
◆小林ゆみ 委員 今お話が出た帰国者・接触者電話相談センターの相談や質問のうち、主なものにはどういったものがあるんでしょうか。例えば急を要するものとそうでないものの割合など、ざっくりと分かりますでしょうか。
◎健康推進課長 相談につきましては、例えば鼻水とか悪寒とか発熱があるからどうしたらいいかといったもの、検査をしてほしいけれども陰性でないと出勤できないといったような声、それから、今回佼成病院の関係がございましたので、そこを受診したけれども大丈夫かといった声、それから中国から帰国をしまして、今風邪の症状があるけれどもどうしたらいいかとか、そういったような相談等がございます。
急を要するものにつきましては、保健予防課のほうにつなげているというような状況で、今現在、2月6日から開設しておりまして、3月9日までで累計で773件の電話がございまして、そのうち予防課につないだものにつきましては123件ということですので、16%となってございます。
◆小林ゆみ 委員 1割以上ですね、急を要するのかなと思うので、ぜひしっかり対応をお願いします。
次、新型コロナウイルス感染症は高齢者が重症化しやすいということで、区内の高齢者施設が今危険にさらされていますが、区として全体的に対策はどういったものを考えていますか。
◎高齢者施策課長 私どもの課では、ほかの施設に先立っていち早く3月3日、ゆうゆう館の休館を決定いたしました。それから、3月9日からは、他の区立施設と合わせまして、高齢者活動支援センターの休館を決定いたしました。そしてそれに合わせまして、高齢者の元気、健康維持のためにはつらつ体操というのを考えまして、おうちでも体操できるような、そういったチラシを印刷して配布したのと、ホームページに掲載しているという状況でございます。
◆小林ゆみ 委員 新型コロナウイルス感染症拡大の結果、在宅で保育をするという考えが今後強くなってくると考えます。今後はとにかく保育園を増設するという流れも変わってくると思いますが、在宅で子育てをする区民への支援を区はどのように考えているでしょうか。
◎保育課長 今後そういう流れになるという可能性がないというふうには言えないんですけれども、現時点で新型コロナウイルス感染症拡大の状況で申し上げますと、国は今、学校には一斉に臨時の休校を要請していますが、保育園につきましては基本的に開けるようにということで、杉並区でも全ての保育施設が今開設している状況です。
確かに学校がお休みになったことで保護者が家にいるようになって、自宅で保育をする、そういう方もいらっしゃるわけですが、一方で、在宅勤務とかの場合ですと、これまでも自営で自宅でやっていらっしゃる方については、当然のごとく保育の必要性が認められて、保育園にお預けいただいています。そういう方については同様に保育施設を御利用いただけばよいと考えております。そうやって考えますと、基本的に保育施設の必要性が薄れるというものではないというふうに考えておりますので、現時点で保育園増設の流れが変わるというふうには考えてございません。
◆小林ゆみ 委員 そうですかね。次行きます。
区政経営計画書99ページにあるように、学童クラブの整備を拡充するとのことですが、今後コロナウイルスの影響が続くとしたら、職員も増員するんでしょうか。それとも他部署から児童館の職員などが応援に行くんでしょうか。
◎児童青少年課長 先ほど保育課長から申し上げましたけれども、学童クラブにつきましても、引き続き国の要請を受けて開けているというところでございます。その時々の状況を見ながら適宜的確に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 関連して、最後に介護保険事業についてですが、事業内容から見て濃厚接触も多い、経営も厳しくなっているので、介護保険事業者は戦々恐々となっており、撤退し始めている事業者も出てきていると聞きました。まず、撤退しないようにするために、区としてどういった対策を取るのか。先行して区がすべきことがあるでしょうか。
また、仮に受け皿がなくなれば、介護保険自体成り立たなくなってしまいますが、区は経営状況を把握しているんでしょうか。
◎介護保険課長 まず、区は事業所の経営状況について把握してはございません。また、確かに御指摘のとおり、この状況が続けば、サービスの提供を受ける方の自粛があって、利用者が減れば経営が厳しくなるということも想定できます。ただ、現在はその状況にはないというふうに考えてございます。
また、国のほうで休業補償についての考え方がまだ示されておりませんので、示された後、適切な対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 ぜひお願いします。
次のテーマですが、施策指標の実績と目標について、保健福祉分野に関連して伺います。
区政経営計画書27ページ、特別養護老人ホーム確保定員についてですが、杉並区民が優先的に入所可能な定員数という指標ですが、経年で事務事業評価表を見ると、23から25年度のようにきっかり目標どおりになった年と、29年度のように乖離がある年度が目立ちます。30年度実績1,963人から令和2年度の目標値2,220人へどのようにして増やす計画なんでしょうか。
◎高齢者施設整備担当課長 今年度、特養の定員確保については、高井戸東と成田東の2所で173床がオープンいたしました。よって、累計では2,136という形になります。令和2年度については、既に工事が進んでいる高円寺南に84床ができますので、累計で2,220床。さらに、令和3年にはウェルファーム、天沼のところで180床ができますので、目標値2,388を上回る2,400、これが現在計画化して進んでいる、こういった状況です。
◆小林ゆみ 委員 安心しました。
同じ27ページ、一番下の移動支援事業利用者数について、事務事業評価表を読むと、どの年度も最近は800人後半となっています。これ、1人当たりの単価は出ますでしょうか。
また、令和2年度の目標値が1,230人に設定されていますが、予算は増やすんでしょうか。
◎障害者施策課長 1人当たりの単価といいますか、これは御利用の時間数などによりますので、単価という形で特に1人当たりということでの設定はございません。
また、予算につきましては、これまでの実績とか、そういうところを見ながら予算のほうは設定しているというところでございます。
◆小林ゆみ 委員 ちょっと目標まで心配ですが、次行きます。
28ページ一番下、就学前における教育・保育の充実についてです。実行計画の計画額が27億1,000万円、当初予算計上額が7億4,007万円となっています。この前ローリングしたばかりですが、なぜここまで金額に違いがあるのか。
◎保育施設担当課長 この差額の主な理由でございますが、実行計画の計画額のうちの保育施設建設費助成、こちらは令和3年4月に開設する認可保育所への助成額という形になってございますが、この助成金については、これまでと同様に、国、都の整備費補助が決定した後に補正予算対応と考えていることから当初予算と差がついてございますが、この認可保育所整備事業も含めまして、実行計画に基づいてしっかりと事業を進めているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 最後に、29ページの生活困窮者自立支援法に基づく相談支援実施後の就労自立者数についてです。
事務事業評価表を見ると、28年度は76人、29年度は63人、30年度は45人と年々下がっています。それにもかかわらず、目標値は100、110、120人と上がっていっています。そして令和2年度目標140人となっており、30年度実績からいきなり約3倍ぐらいの増になっており、不自然に見えますけれども、これは実現可能なんでしょうか、確認させてください。
◎生活自立支援担当課長 委員御指摘のとおり、平成30年度の実績は45と、前年度に比べて減少しておりますが、本年度1月末現在で見てみますと58人と、前年度の実績を上回るペースで進んでおり、また、ベースになる相談件数も前年度に比べまして約1割増となっております。こうしたことに加えて、今後、ひきこもり相談とか、それから今話題になっています新型コロナウイルスによる雇用への影響等を考えますと、生活困窮者への労働自立の支援というのは、今後さらにその必要性は高まるものと考えておりまして、こうしたことから、目標達成に向け今後さらに取組を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
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