◆小林ゆみ 委員 質問項目は、教育調査、小笠原自然体験交流、公園についてです。使用する資料は、頂いた資料の266番、270番、小笠原自然体験交流報告書を平成26年度から令和2年度までです。
まず、教育調査について伺います。
資料266番、令和元年度から3年度の5月1日の児童数、生徒数の推移を見ると、小学校、中学校どちらにおいても増加していますが、その理由は。
◎学務課長 この間の就学年齢の住基人口を見ますと、転入者が転出者を上回る状況になっておりまして、転入超過になってございます。このため、児童生徒数も増加しているものと認識してございます。
◆小林ゆみ 委員 その傾向はいつからあるんでしょうか。
◎学務課長 児童数は平成17年度から、生徒数は令和元年度より増加傾向にございます。
◆小林ゆみ 委員 今後、児童数、生徒数はどうなっていくと分析していますか。
◎学務課長 現時点での想定、分析でございますが、児童数は令和8年度まで増加傾向が続き、令和9年度より減少していくものと見込んでおります。また、生徒数は12年度まで増加傾向が続き、13年度より減少していくというふうに見込んでございます。
◆小林ゆみ 委員 時代の状況を見てということだと思いますが、同資料を見ると、外国人の児童生徒数も、小中学校ともに年々増加していますが、この要因は。
◎学務課長 外国籍の就学年齢の住基人口も増加してございます。また、令和2年7月に、外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針が策定されたこともございまして、区としても、外国人の子供さんの就学案内を充実してきた、こういったことがございます。このようなことも増加につながったのではないかと考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 区は、日本語指導が必要な外国人児童生徒には、一人一人の日本語習得の状況に応じて、日常会話や平仮名、片仮名、漢字などの読み書き指導をしていると思いますが、この取組の指導者は一体どういった方なんでしょうか。また、例えば漢字がとても苦手な日本人児童生徒がいた場合に、その生徒に対しても、外国人児童生徒と同様に、読み書きなどの取組を行っているんでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(加藤) 海外からの帰国及び外国人児童生徒のうち、日本語指導が必要な場合の指導につきましては、元教員である国際理解教育担当の職員と外部講師によって実施しております。また、漢字などが苦手な日本人児童生徒への指導につきましては、担任や教科担当、ボランティア人材等を活用して、朝の時間や放課後を使って指導しております。
◆小林ゆみ 委員 個に応じた指導に関わる教員や講師には、今おっしゃったような方がいらっしゃると思うんですが、どのような方が何名ほどいらっしゃるのか、確認、整理させてください。
◎済美教育センター統括指導主事(加藤) 帰国及び外国人児童生徒の日本語指導を担当する国際理解担当の職員が3名、講師が15名おります。また、学習面で困難を抱える児童生徒のために、学習支援教員を配置しております。こちらの学習支援教員は、51名おります。
◆小林ゆみ 委員 たくさんいらっしゃるということですね。
令和2年度杉並区教育調査の結果についても伺います。
資料270番を見ますと、個に応じた指導の肯定率について、義務教育の小学校では教員の87.8%に対して児童が58.5%、中学校では教員の81.5%に対して生徒が55.1%になっていますが、この結果をどう受け止めていますか。
◎済美教育センター統括指導主事(加藤) 単年度の数値のみを見ますと、肯定的な回答は半数程度にとどまっておりますが、個に応じた指導につきましては、年々肯定率は上昇しております。
◆小林ゆみ 委員 上昇もしているということなんですが、個に応じた指導、今後もう少し力を入れていただきたいなと思うんですが、取組など、いかがでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(加藤) 児童生徒の可能性を引き出す個別最適な学びを進めるとともに、協働的な学びを一体的に充実させまして、引き続き授業改善に取り組んでまいります。
◆小林ゆみ 委員 お願いします。
また、系統的、連続的指導についての項目もありますが、杉並区教育調査にこの項目を入れた理由は。
◎済美教育センター統括指導主事(加藤) 全ての児童生徒に、よりよい人生を切り開く基盤を確実に築くためには、つながりのある学習指導を行うことが重要であると考えまして、教育目標、内容の系統性と、教育方法の連続性が実践されているかを確認するため、この項目を設定いたしました。
◆小林ゆみ 委員 それについては、児童生徒の肯定率が小学校77.4%、中学校では73.3%です。教育調査における質問項目を見ると、先生は今の授業で学習していることが前の授業や今後の授業とどのようにつながっているか教えてくれている、というものに対する数字だと思います。児童生徒が授業内容をただの暗記だったりタスク処理のように捉えないためには、科目全体で相互に関係し合っている単元、つまり、縦のつながりというのを体系的に教えることも大事であって、ひいては他教科や科目とのつながり、つまり国語と英語など横のつながりについても教えていくことも大事だと思います。区はこの点、今後どのように改善していくんでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(加藤) 系統的、連続的な教育活動を行っていくことは重要なことであると考えておりますので、教科等横断的な視点に立った資質、能力を育むため、各教科等において、既習の知識等を活用しながら、問題解決を図る学習等を進めてまいります。
◆小林ゆみ 委員 ぜひお願いします。
教員の方々の教科ごとの研究についても伺いたいんですが、どのように、どのような頻度で行っているんでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(加藤) 教科、領域等に分かれまして部会を設けている杉並教育研究会は、年7回程度の一斉研究部会を開催しております。部会ごとに回数は様々でございますが、教科等教育推進委員会ですとか授業力向上研修などでも、教科等の授業力向上を図っております。
◆小林ゆみ 委員 ぜひお願いします。
ちょっと飛ばして、小笠原のほうに行きます。
小笠原自然体験交流の取組は、次世代育成基金を活用していると思います。平成24年度から行っていますが、この事業の目的を確認します。
◎済美教育センター統括指導主事(佐藤) 世界遺産である小笠原の貴重な自然体験や、自然の中で育まれた文化を通して子供たちの豊かな人間性を育むこと、そして自然体験を通じて、各学校、地域における環境保全活動の推進役となる、世界的視野で持続可能な社会を考えることができる生徒の育成を目指しております。
◆小林ゆみ 委員 なぜ小笠原を体験交流の場所としたんでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(佐藤) 先ほどお話しした目的とも重なるところはございますが、小笠原は平成23年に世界自然遺産に選ばれたことをきっかけとしております。
◆小林ゆみ 委員 例年、参加者の倍率はどのようになっていますか。また、参加者として選ばれる際の基準は。
◎済美教育センター統括指導主事(佐藤) 平成29年から令和元年が2.1倍、そして令和2年度が4.9倍でございます。選考基準は、志願動機や研究したいテーマについて、事業目的と整合性が取れているか、自立的な行動の取れる生徒、調和性のある生徒であるか、そして環境リーダーとして学習成果を活用できるか等を基準に、作文と面接を通して選考してございます。
◆小林ゆみ 委員 結構人気なんですね。
令和2年度は9期生ということですが、例年の30名ほどよりも参加人数が少なくなったのは、なぜでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(佐藤) コロナウイルス感染症対策、感染防止対策として、18人まで人数を削減して実施したところでございます。
◆小林ゆみ 委員 体験交流の内容は、これまでどのように変化したんでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(佐藤) 過去数年間を見ましても、体験交流活動内容について、大きな変化はございません。
◆小林ゆみ 委員 例年、報告書を見ていると、よく環境リーダーという言葉が出てきますが、これはどういったものでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(佐藤) 環境課題に対して高い意識を持ち、各学校、地域において、環境保全活動を推進し、世界的視野で持続可能な社会を考えることができるような人材のことと捉えております。
◆小林ゆみ 委員 プログラムの中のビーチクリーン講習では、生徒たちは、回収したごみについて、どこから来たどんなごみなのかというような分析もしているんでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(佐藤) 現地の方のガイドを聞きながら、目に見えるごみだけでなくマイクロプラスチックの問題など、それがどこから来ているか等についても学習しているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 そういう意味の、どこから来たですね。分かりました。
報告書の内容は、ほぼ環境やSDGsのことについてなんですが、当該事業を通じて子供たちに伝えたいことは、主に環境の大切さということだと思います。
環境問題を考えることも大切だと思うんですが、場所柄、日本史や世界史に関連して、戦争などの近代史だったり、地学に関連して地層や地形、生物に関して植物の生態、科学に関して海水や紫外線についてなど、従来テーマになってなかったことも、子供たちは研究できそうですが、今後は、杉並区が参加者を募集する際に、それらの科目や単元、テーマを区のホームページや募集要項上に例示してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
◎済美教育センター統括指導主事(佐藤) 委員おっしゃいました内容につきましては、子供たちが集まってから自分たちのグループを決めたり、チームの中で考えて、広がりがあるところですので、基本的には、本事業の目的であります環境学習を主軸とした活動内容についてまず周知をし、子供たちが考えた内容については、報告書等でまた成果発表会がありますので、そちらで報告をしていきたいと考えているところです。
◆小林ゆみ 委員 環境ももちろん大事ですし、科学なんかも大事だと思います。ぜひ場所柄、活用してほしいなと思っております。
最後に、公園、特に荻外荘公園について伺います。荻外荘公園について、令和2年度の主な取組、確認します。
◎都市整備部副参事(星野) 令和2年度は、令和元年度から進めておりました基本設計が令和2年9月に完成しております。その後、実施設計のほうに取りかかっておりまして、今年度中の完成を目指しております。
それと、令和3年1月に荻外荘の東側の道路を挟んだ反対側の土地約449平米、こちらを荻外荘公園の追加用地として購入し、都市計画変更をしております。同じく令和3年1月に文化庁で開かれました史跡等における歴史的建造物の復元の取扱いに関する専門委員会へ報告をして、了承をいただいておるところでございます。
◆小林ゆみ 委員 関連して、荻窪の案内サインの話があったと思います。区は、他事例や手法の情報収集をしていたと思いますが、現状どうなっていますか。
◎拠点整備担当課長 案内サインにつきましては、他事例として世田谷代田とか、あと地方の観光都市の状況について調査研究してまいりました。
手法としましては、案内板のほか、電柱広告、床・壁面プレート、ICタグ、ストリートプリントなどがあることが分かってまいりました。今後、仮称荻外荘公園の整備に間に合うように、区内部の検討組織である観光まちづくり専門部会を立ち上げまして、それらについて、費用、効果、設置の容易性、維持管理などの観点から整理し、検討を進めております。
◆小林ゆみ 委員 ぜひお願いします。
荻外荘の寄附についてですが、令和元年度は、緑化寄附金の中での荻外荘の寄附総額は1,647万6,000円余でしたが、当該年度の総額と経年の傾向はどうか、また寄附する方について、区内なのか区外なのかどちらの方が多いのか、お分かりになりましたらお願いします。
◎都市整備部副参事(星野) 令和2年度の寄附金でございます。みどりの基金全体では5,515万余、そのうち荻外荘のほうは2,300万余となっております。ただ、この後、高額の御寄附を頂いておりまして、9月末現在では3,500万余となってございます。
傾向といたしましては、この寄附は平成27年11月から行っておりますが、基本的には微増でございます。時折、今お話ししたような遺贈によってなど、高額の寄附を頂いているというところです。
区内と区外の割合ですが、寄附の当初は区内が8割、区外が2割程度でした。それが最近は、区外が4割ぐらいに少し伸びている感じでございます。
◆小林ゆみ 委員 区外の方にも取組が広まったというのはうれしいなと思います。
次なんですけれども、ちょっと飛ばして、荻外荘公園に関し、クレジット決済による寄附の割合と、別の形の、新しい形でキャッシュレス決済導入について、検討状況を伺います。
◎区民生活部副参事(高取) 令和2年度の荻外荘復原・整備に係るふるさと納税のうち、クレジット決済によるものは約3割でございます。現在、キャッシュレス決済につきましては、ふるさと納税ポータルサイトであるふるさとチョイス、こちらのページがクレジットカードのほかネットバンク、アマゾンペイやメルペイなど、こういったものを使用することができております。
ポータルサイト運営会社において、新しい決済手段を追加するという話は、現在のところございませんが、今後新しい決済方式が加わった場合は、周知等含めまして、区としても速やかに対応してまいりたいと存じます。
◆小林ゆみ 委員 今後、公園に対する寄附については、例えば熊本城は一口城主というのを集めていて、すごい金額になっていたと思うんですが、こういう理解しやすく、寄附者にとって人気な形で一口○○とか、そういった形で受け付けてみるのはいかがでしょうか。
◎都市整備部副参事(星野) 荻外荘の寄附は、一定額以上の御寄附を頂いた方には、荻外荘倶楽部というところに入会していただいております。個人の場合は1口1万円以上、法人の場合は1口10万円以上。この9月末現在で、個人の会員が227名、法人は2社という形になってございます。
◆小林ゆみ 委員 荻外荘公園は、まちづくりだけでなく、教育の面でも活用していってほしいなと思っております。郷土についての学習だったり、戦争教育などもできると思いますが、それ以外にはどういった教育分野で用いるんでしょうか。
◎生涯学習推進課長 荻外荘は、国の史跡にも指定された貴重な文化財でございます。学校教育分野での社会科見学などの活用のほか、社会教育、生涯学習分野でも、郷土博物館の展示などと連動させまして活用してまいりたいと考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 ぜひいろんな活用の仕方、検討してもらいたいと思います。
また、荻外荘の魅力を、ターゲットを絞ってPRするという目的で、歴史雑誌だったり建築雑誌などに荻外荘についての広告を掲載するなど、検討してみてはいかがでしょうか。
◎都市整備部副参事(星野) とてもいい御提案だと私も思います。荻外荘は国の史跡なので、全国の歴史とか建築に興味のある方に、この荻外荘を広く知ってほしいと我々も思っております。
今年から、歴史という面では大磯の旧吉田茂邸ですとか、建築という視点では御殿場の東山旧岸邸、岸信介元首相の自邸で、こちらは建築家の吉田五十八の近代数寄屋建築となっております。こういったところに荻外荘のパンフレットですとか趣意書を置かせていただいているので、なるべく広く知らせるために、御提案のほう、検討していきたいと思っております。
◆小林ゆみ 委員 ぜひお願いします。
また、荻外荘におけるARの取組について、詳細と目的を伺います。
◎都市整備部副参事(星野) 荻外荘には、建物自体いろいろな見所がございます。中でも、国の史跡に指定された理由でもあります昭和初期の政治の転換点となる重要な会談が行われた客間、これは建物の中心辺りにあるんですが、こちら、当時の資料ですとか映像が残っておりますので、しっかりと復原をしていこうと思っております。
見学に来られた方が、当時の雰囲気を少しでも体感できるように、備付けのタブレットを客間に向けると、近衛文麿などが画面上に、客間で座っているような形で見られるように、AR技術を使って、そういった仕掛けを今検討を進めているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 また、荻外荘公園の周辺には公園が複数ありますが、どのように連携して、どんな取組を行うんでしょうか。
◎都市整備部副参事(星野) 荻窪の南側は観光施設が点在しております。この荻外荘公園と御指摘の大田黒公園、そして角川庭園を合わせて、我々は荻窪3庭園といってPRをしているところでございます。荻外荘公園の完成の暁には、これら周辺施設と連携して、イベント開催などを行えるように、現在検討を進めているところでございます。
◆小林ゆみ 委員 ぜひお願いします。
公園全般の話になるんですが、写真撮影などの申請の状況を伺います。申請なしに行っているケースもあると思いますが、件数は、区は把握しているのか。もし申請なしに行った場合、罰則などあるのか、伺います。
◎みどり公園課長 令和2年度の写真撮影、それから動画撮影の実績でございますけれども、写真撮影につきましては237時間、占用料を取っていまして、占用料については39万2,709円となってございます。動画撮影ロケーションにつきましては、135時間、197万4,375円となってございます。
申請なしに行っているケースにつきまして、罰則等は特に設けてございません。それと、公園につきましては、基本的に無人で管理しているというところもありますので、件数については現在把握できていないような状況でございます。
◆小林ゆみ 委員 こういった申請について、今窓口だと思いますが、オンライン申請、オンライン決済など進めてほしいと思いますが、どうでしょうか。
◎みどり公園課長 今委員お話がありましたように、現状につきましては、窓口での申請というところでございます。導入に当たり、様々な課題があると思いますので、その辺も精査をしてまいりたいと考えてございます。
◆小林ゆみ 委員 これ、今ホームページで周知していますが、それ以外での周知の予定、伺います。
◎みどり公園課長 周知につきましては、現況、ホームページのみというような状況でございますので、効果的な周知、PRの方法について考えていきたいというところでございます。
◆小林ゆみ 委員 歳入も入ることですし、公平性を保つためにもぜひ進めてほしいと思います。 終わります。
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